こんにちは ジーンズリペア&クラフト hands-onです。
動画解説もあります、良かったらご覧ください。
今回紹介するのはこちらです。
やや細身のシルエットのジーンズです。
※リペア跡が多数あります
まずはいつものディテールチェックからです。
トップボタンが銅色
ジッパーフライ(タロン42)
505ですね。
帯は上下チェーンステッチ
なので、帯留めは平行ステッチです。
トップボタン裏 5 でした!
5番工場ですが、、、
ミズーリ州 シデーリア(Sedalia)工場らしいです、、、
1950年代→15
1960年代→S
1970年代→5
1980年~90年代→650
という変化をするそうです。
柴剣談話室さんからの情報となっております、、、
縦長の独特の後ろポケットが505の特徴ですね。
念の為にパッチもチェックします。
505の上に care~ の小さい文字が、、、
66モデルからこの注意書きが入ります。
赤タブはビッグEでした!
という事で、、、
66ビッグEです。
ビッグEの最終型になります。
66ビッグEの場合は
ポケットスレキ下にスタンプがあって
ここに数字の情報がありますが、、、
ポケットスレキの下が交換されていました、、、涙
製造されたのは1972年~73年頃だと思います。
こちらの505はアウトシームに耳を使っていました。
505ビンテージの耳付きは数が少ないのでレアですね。
501ビンテージは全てに耳が付きます。
それに対して、505ビンテージは耳があったり、無かったりします。
なぜ?
今回の裏ブログではその謎を解明したいと思います。
先ほど使った、この画像に注目しましょう!
帯のダメージ部分を見てください。
横糸が出て、ダメージになっていますね。
ここに何か違和感を感じませんか?
後ろポケット部分にも似たようなダメージがあります。
この部分だと、違和感を感じません。
どうゆう事???
実は、、、
このジーンズは腰帯の生地方向が通常と違います!
横使い(生地の横幅を使っている)になっているのです。
だから、エッジのダメージから白い横糸がフサフサ出ていました。
※通常腰帯の生地は縦向きに使っています。
耳付きの生地を横向きに使って
腰帯の長さを取る事が出来るの?
ちなみにこのジーンズのウエストはW34インチです。
34インチ=約86センチ
縫い代まで考えると86センチ以上の生地幅が必要です。
501の場合は
昔から伝統の29インチ幅のセルビッチデニムが採用されていました。
29インチ=約73センチです。
これだけ狭い幅のデニム生地だと、腰帯で横幅に使えません。
今回の505はアウトシームに耳を使っていました。
腰帯部分だけ色落ちが違う訳でもありません。
身頃と全く同じ生地と使っていると思います。
という事は、、、
横幅が広い セルビッチ(耳付き)デニムがあるの???
実は、、、あります。
右側の原反です!
こちらは両方とも岡山産セルビッチデニムの原反です。
生地端は耳使いになっていますよ!
ものさしは1メートルです。
左が狭幅のセルビッチデニム 82センチ位
右が広幅のセルビッチデニム 120センチ位かな?
お分かりでしょうか、、、
この505 66ビッグEが生産されていた1972年頃に
生地幅が広い セルビッチデニムが存在していた
という事になります!
これで、505ビンテージには耳有りと耳無しの両方が存在するという
つじつまが合います!
※過去ブログで片耳というのもありました。
↓
501のようにアウトシームは絶対に耳使い
というルールが無かった訳ですから
生地幅が広いと沢山のパーツ取りが可能になります。
より効率的な物作りです。
※今回の腰帯の場合も 縦と横 どちらでも取る事が出来た。
そんな中で、たまたまアウトシームに耳を使ったジーンズが出来上がった。
当時はビンテージのジーンズなんて価値はありません。
(ビンテージジーンズという認識すらないはず)
耳が有っても無くても、クレームにならなかったのでしょう。
現代の物作りで、そんなことをすると大変ですね、、、汗
同じ生地を使っていると説明しても、お客様は納得しません。
耳(セルビッチ)使いに価値があります。
今回は腰帯の生地の向きから面白い発見が出来ました。
505ビンテージの長年の謎が解けたと思います。
では!
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