こんにちは ジーンズリペア&クラフト hands-onです。
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今回紹介するのはこちらです。
いきなりのピンボケでスミマセン、、、汗
トップボタンがシルバーで
グリッパージッパーなので、、、
501ZXX???
と思うのですが、、、
こちらはサイズが小さいので品番が変わります。
504ZXX です。
504ZXX のサイズはW27~29となっておりまして
ユース(青年)サイズなどと言われています。
そして、これよりも小さいW18~26は ボーイズ(少年)サイズと言われます。
そうなるとまた品番が変わって503ZXXとなります。
このミントコンディションのジーンズですが
持ち主が彼女へプレゼントされたという事です。
(ちなみに買ったときはデッドストックだったそうで、品番も読めたそうです)
持ち主は関東方面から来店されたビンテージマニアさまでした。
別件の依頼でしたが、レアなビンテージデニムを見せて欲しいと
僕がお願いしました。
(これはリペア依頼品ではありません)
貴重な物を見せて頂きありがとうございます!
彼女さんはこれを穿いて、高円寺の古着街とか普通に歩いているそうです。
しかし、誰もこれがビンテージだと気づかないらしいです(笑)
そうですよね、、、女性がこんな極上ビンテージを穿いているなんて
普通は復刻だろうなあと思うでしょう、、、汗
面白いディテールを発見しました。
サイドステッチは短めですが(1950年代に多い)
コインポケット左側のリベット刻印は中央寄りです。
(1940年代のディテール)
コインポケット右側のリベットは無地
これは私の経験上、リベット刻印中央寄りの裏側です。
(表裏を逆に付けてしまっている)
このネタは過去ブログで紹介しています→ こちらをクリック
そして、前ポケット入口の方はリベット刻印が全体に広いです。
(1950年代のディテール)
そうなんです、、、
ここを見るだけで、詳しい方なら
1940年代と50年代のディテールが共存しているんですね。
リベットがこんなにごちゃ混ぜとは、、、
新旧を分けて管理していなかったのでしょうね(笑)
リベット在庫自体がごちゃ混ぜの可能性が高いです。
後ろ身頃をチェックしていきます。
こちらもピンボケでスミマセン、、、汗
アタリもほとんど無い 真っ紺状態です、、、凄い
センターループはど真ん中ですね。
幅広タイプです。
(このディテールで革パッチ確定です)
念のためにチェックします。
革の欠片が残っていました。
このちょっとした欠片があると嬉しいですね!
最後に赤タブのチェックをします。
両面タブでした!
その他のディーテールから見ると
片面、両面どちらでもあり得る年代でした。
という訳で、こちらは
1952年~53年頃に製造されたジーンズだと思います。
(片面タブ~両面タブへの移行時期)
さて、ちょっと疑問があります。
大人サイズの501ZXXのデビューは1954年です。
それよりも子供サイズが先に登場していた???
そうなんですね!
これは雑誌の情報ですが
503ZXX(W18~26)が1951年にデビュー
504ZXX (W27~29)が1952年にデビュー
という事です。
この理由についてもその雑誌に書いてありました。
伝統的なボタンフライの501。
そのジッパーフライバージョンを作るにあたって
子供用を先行発売して、様子を見ていたのでは?
という事でした。
リーバイス社としても、自社の長い伝統を変えるから
慎重に事を進めたのでしょうかね?
そんな想像も出来ます。
また501に採用していたデニムは未防縮のキバタデニムです。
それとジッパーフライの相性が実は悪いのです。
捻じれて縮んでしまう生地の影響で、ジッパーフライがよれて
しまうことが多いのです。
それが原因でジッパーの開閉不良になることもしばしば。
そうゆう部分のテスト販売だったのかもしれませんね。
501のジッパーフライ登場の裏話まで
わかってしまう、子供サイズの先行発売。
こうゆう歴史もあるとは面白いですね。
では!
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