こんにちは ジーンズリペア&クラフト hands-onです。
※画像クリック(タップ)で詳細表示に変わります。
動画解説もご覧ください。
今回紹介するのはこちらです。
文字がかすれて見えにくいですが、、、
リーバイス501XX ビンテージ 紙パッチギャラ無し モデルです。
左後ろポケットにトランシーバー跡の色落ちが、、、
こちらはジーンズの色落ちサイトで有名な denimba の管理人さんから
お借りしたものです。
なんとこの501XX、、、
デッドストックからの穿き込みなんです、、、超羨ましい。
ジーンズ愛好家にとって、一生に一度はやってみたい事だと思います。
denimbaでこのジーンズのデッドストック状態を紹介したページもあります。
↓
denimbaさんのブログデータによると
このジーンズの穿き込みは1374時間
洗濯12回(洗剤有り5回、洗剤無し7回)だとか、、、
超貴重な501XXビンテージのデッドストックを現場仕事でガンガン穿くなんて、、、
凄すぎでしょう!
それを初めて知った時は、かなり衝撃を受けましたね。
その色落ちに注目してみましょう!
綺麗なヒゲが出ています!
XXにしては、けっこうフラットな印象です。
縦落ちしているのですが、荒々しい感じではありませんね。
ゴム長靴で仕事されているとお聞きしています。
ブーツインならぬ、長靴インによって出来たクッションシワです。
オリジナルチェーンステッチだそうです。
(買ってから、スソ上げ無しでそのまま穿いているとの事)
ウネリは出ていますが、ユニオンスペシャル43200Gで縫ったような
斜めのアタリが出ていませんね。
当時の工場には違うチェーンステッチのミシンを使っていたのか?
どうなのでしょう、、、
ディテール紹介をします。
隠しリベット付き!
XXを象徴する部分です。
傷が付いていますね。
これはポケット縫い付けの際に、隠しリベットのそばをミシンが通ります。
そこでミシンの送り歯が当たってしまうからです。
しかも ちょうどここで返し縫いをして、隣に移動します。
糸の渡りが残っているのが面白いです。
(自動糸切りが無かった時代のミシン)
501XXギャラ無しも数年後の1965年頃になると
隠しリベットが無くなってしまいます。
通称 501XX最終モデル と呼ばれます。
(パッチが無いと判断が難しいモデルです、ビッグEと同じ場合があります)
前ポケット周辺に注目します。
まずはコインポケットです。
斜めにカミナリ状のシワが入っています。
個人的に好きなアタリ感です。
このカミナリシワが出ている時には
コインポケット裏に耳が付きません。
その理由はコインポケットの生地が縦使いになっているからです。
そして、下生地(向こう布)は横使いになっています。
リベットに注目します。
これは上から完全に被さっているので
被せリベットと呼んでいます。
(裏側の凸リベットが表に見えません)
1962年以前のギャラ入りになると
裏の凸リベット先端が表に突き抜ける
打ち抜きリベットです。
(リベット裏は鉄製の銅メッキ)
裏側を見ると銀色です。
アルミ製になっています。
パッチが欠損したXXの年代判別で最初にチェックするのは
ここだと思います。
こうなっていると ギャラ無しXX の可能性が非常に高いです。
(モデルの移行時期にはディテールが混在します)
打ち抜きリベット(リベット裏が鉄製の銅メッキ)から
被せリベット(リベット裏がアルミ)にどうして変更したのでしょう?
鉄製の銅メッキはサビが発生してしまうというデメリットだったと思います。
(当時の銅は高価だったので、銅素材にも戻せなかったのかな?)
ジーンズの歴史で労働着からファッション着への転換期がちょうどこの頃だと思います。
1960年代になるとリーバイス社からはデニム生地のジーンズ以外にも
カラージーンズも登場します。
リーバイス社として、ファッション着としての
ブランド構築をしたかったのだと思います。
バックセンターループです。
ど真ん中に付いています。
ループ幅は12ミリ位です。
形状もほぼフラットになっています。
センターセットでリベット裏アルミだとギャラ無し(1962年以降)の可能性が高いです。
これが左にズレているオフセットループだとギャラ入り(1962年以前)の可能性が高いです。
センターループの流れを復習しますね!
・1953年以前 15ミリ幅のセンターセット
(革パッチモデル、リベット裏銅製)
↓
・1953年~54年 12ミリ幅のセンターセット
(革パッチ、リベット裏鉄製の銅メッキ)
↓
・1954年~62年 12ミリ幅のオフセット
(革パッチ最終~紙パッチギャラ入り、リベット裏鉄製の銅メッキ)
↓
・1962年以降 12ミリ幅のセンターセット
(紙パッチギャラ無し、リベット裏アルミ)
センターから一度ずらしたのに、またセンターに戻しています。
どうしてでしょう?
ループズレの場合は下地が弱い部分に付くから
取り付け強度の問題だったのかな?
なんて、個人的に思ったりしております。
本当の理由は 当時のリーバイス社しか知らない事でしょうね、、、
では!
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