ジーンズリペア&リメイク hands-on 裏ブログへようこそ。
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今回紹介するのはこちらです。
極上品です。
ワンウオッシュされていますが
新品同様のミントコンディションです。
ビッグE です。
Vの幅が左右不均等です(通称 不均等V)
バックポケット入口のダブルステッチがイエロー綿糸になっています。
赤タブの超アップ!
不均等Vになると、素材がポリエステルになります。
(均等Vだとレーヨン素材です)
洗っても独特の丸みを帯びないようですね。
(そのほうが、文字が読み取れるので進化していると思います)
紙パッチもきっちりと残っています(喜)
パッチの左上の縫いつけに注目です。
ウエスト上部のステッチとは別で縫い付けられています。
という事は、ウエスト裏が上下チェーンステッチなんですよ。
(帯止めは並行ステッチです)
501の上に A の印字があります。
通称 Aタイプと呼ばれています。
タイプ物の説明は後でしますので、、、
引き続きディテールをチェックします。
ベルトループも帯上とは別に付けられているのがわかりますか?
これはオートベルターという専用ミシンで縫っています。
ベルトループの縫付けも量産体制に入っているのです。
この画像でウエスト裏が上下チェーンステッチだというのがわかりますね。
チェーンステッチの縫い終わり部分をほつれ止めの為に
このような平行のステッチを使っています。
(チェーンステッチは縫い終わりから連鎖して解れるからです)
トップボタン裏は 6 でした。
フライボタン(小ボタン)のRは軸が長い 通称 足長Rボタンです。
前股(小股)付け根のカンヌキは
ステッチ上にキッチリ重なっています。
小股のステッチも細くなっていますが
これは綿糸からスパン糸に進化したからだと思います。
わかりにくいと思いますが、、、
コインポケットの外周ステッチはイエロー綿糸です。
前ポケット入口のWステッチはオレンジのスパン糸です。
ビッグEはこのように綿糸とスパン糸が混在しています。
コインポケットには耳を使っていません。
そしてチェーンステッチになっています。
帯上がチェーンステッチになる前に、コインポケット裏がチェーンステッチになるようですね。
スレキ(袋布)には印字はありません。
ここに縮率に関する注意書きの印字があると
66モデルだと判断されます。
アウトシームの縫製はシングルステッチです。
XXだと、綿糸で太い糸ですが
これはスパン糸で綿糸よりも細くなっています。
さて、このジーンズのディテールをざっと並べてみました。
このジーンズにパッチ表記がなければ
私は普通のビッグE後期型だと判断します。
(タイプ物だとは予想しません)
このジーンズを見て驚いたのは
パッチにAタイプの印字があった事です。
タイプ物の定義としては
Wネーム後のウエストVステッチだと思っていました。
そうでは無かったようですね。
タイプ物には
A、S、F、I などのアルファベットが存在します。
よく聞くのが、品質管理の為の記号です。
Aは良
Sは優
Fは不可
Iは不明
この説も老舗古着屋の誰かが言い出した事だと思うので
本当かどうかはわかりません。
真実を知るのは、当時のリーバイス社の幹部のみだと思います。
品質管理説が正しいとすれば
今回の依頼品はAの良品という事になります。
しかし、元々の縫製不良だったと思われる部分があります。
(その部分を当店でリペアします)
左後ろポケットのカンヌキ留めが元から外れていました。
洗濯によって、ステッチが解けています。
スソのチェーンステッチが解けています。
チェーンステッチは連鎖して解けるので、このままでは危ないです。
(すでに連鎖して解けてしまっていますが、、、)
これはちょっと荒探しかもしれませんが、、、
耳がよれたままで縫製されています。
(ビンテージ物には多い現象です)
タイプ物の説には他にもうわさを聞きますが
それも断言できる物ではないと思うので
ここでは紹介しません。
将来、この謎がきちんと解明されることを期待します。
では!
・ご依頼の流れは以下のページで説明しております。
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