ジーンズリペア&リメイク hands-on 裏ブログへようこそ!
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今回紹介するのはこちらです。
シンチバックが付いて(切られていますが、、、)
バックポケットに隠しリベットが採用されたモデル
通称 1937モデルです。
超美品です。
あまりに状態が良いので、復刻と間違えそうですが、、、
本物のオリジナルです(驚)
こちらは大阪のビンテージ古着屋 JUKEBOXさんが所有するものです。
お店に直接行って、その場で撮影させて頂きました。
オーナーのKさま、本当にありがとうございます。
今回の画像ですが、、、
撮影したのは1年位前です、、、
実はこのジーンズのレプリカを作ろうと考えていまして、、、
画像を大切に保存しておりました。
しかし、仕事があまりにも忙しくなってきて、
ジーンズを作る余裕が無くなってしまいました。
(メインの仕事はジーンズのリペア&リメイク業なので、、、)
そこで、今回このブログで紹介させて頂きます。
(このままだと、お蔵入りしそうなネタだったので、、、汗)
どうして、このジーンズのレプリカを作ろうと思ったのか?
バックヨークが逆高なんですよ、、、
(通常だとバックヨーク側が低いです)
1937モデルのこの状態でも十分に珍しいのに、、、
しかもバックヨークが逆高、、、
超レアという言葉がふさわしい一品です。
Kさんの501コレクションは本当に圧巻ですよ、、、
人生を501の収集にかけていると思います。
是非、一度お店に行ってみることをお勧めします。
(ネットには出されていない物が沢山ありますから)
このいびつなアーキュエイトステッチ、、、
(バックポケットの縫い付けもいびつですが、、、)
1本針ミシンで二回縫っていますね。
2本針ミシンだと、中心のターンでステッチが交差しますから。
(通称 ダイヤモンドクロス)
しかも下書きなしのフリーハンドです。
もう個性としか言いようがないステッチワークでしょう。
この年代を集めているマニアさんは
アーキュエイトステッチの違いを覚えているそうです。
何らかの理由で手放した後でも、元々自分が持っていた物だとわかると
聞いたことがあります。
(唯一無二の存在ですね)
1937モデルの理由ですが、、、
赤タブが採用されたのが1936年の出来事だからです。
(確か9月だったような、、、多分ね)
革パッチも綺麗に残っています。
この頃はまだ乾燥機が普及していなかったので、
縮まずに済んだのでしょうか?
しなやかな状態です。
前身頃をチェックしていきましょう!
前股にリベットが付いています。
大戦モデルからこれが無くなります。
前股ってかなり負担が掛かるので、リペア屋目線だと
リベットは無くして欲しくない部分でした、、、
戦後の501XXの前股リペアの依頼は多いです。
(ステッチ解れによるもの)
1966年頃の501Wネームになると股カンヌキの採用で
やっと補強がされるようになるんです。
内股にカンヌキがあります。
タイトルに後期型と書きましたが、、、
カンヌキが1937モデルの途中から採用されたそうです。
何年からの採用かはわかりません、、、
勝手に後期型だと判断しています。
(もっと詳しいマニアさんがいると思います)
脇押さえのサイドステッチも長いですね。
この微妙なブレが好きな部分。
ビンテージ物の味わいがあります。
コインポケット裏には耳を使っています。
戦前の物は耳使いが非常に多いと聞きます。
大量生産していない時期だから、生地端を取りやすかったのかな?
スソです。
耳が見えなくてすみません、、、
スソの三つ巻ですが
前回ブログで書いたように、折幅がやや広く
まっすぐに縫われています。
みなさんが大好きな斜めのうねりがほとんどありませんね。
ユニオン432で縫っていないような印象です。
リベット刻印が見えました(喜)
Coの oが小文字ですね。
ベルトループの微妙な中盛り感もいい感じですね。
雑誌とかでループ中盛りの理由は、ステッチ切れを防止するためだとか
書いてあるのを見たことがありますが、、、
本当かな?って思います。
ここは面白いステッチワークです。
有名なVステッチのはずが、、、
V字じゃありませんね。
重ねてあります。
これでもチェーンステッチの解れ留めになっていると思います。
(こっちの方がよく効くかも?)
シンチバックの縫い付け位置が左右で違っています、、、
まあ、適当なんでしょう、、、(笑)
これもビンテージの味わい深い部分です。
隠しリベット裏です。
先ほどの通常リベットと同じ形状ではありませんか?
そうなんです、、、
1937モデルは通常リベットを使い回ししていたようです。
見えない表側を確かめて見たことはありませんが、、、
ネット画像で、表側を見たことあります。
それはリベットの頭がハンマー?でつぶされていました。
突起が邪魔にならないように工夫していたのですね。
そして、この部分ですが
大戦モデルの直前になると
例のぷっくり膨らんだ形状に変わるようです。
東京の某有名ビンテージ古着屋さんのHPにそれが載っていまして、
1941年のデニムパンツだと書かれていました。
(大戦モデルは1942年からだと思います)
スレキは通常のコットンスレキでした。
Sonia って書いてありませんか?
人の名前?
買ったときにお店の人が、サイズまで書いていたのでしょうか?
色々と想像が膨らんで、面白い部分です。
以上です。
私の財産では絶対に買えない
とても貴重なものでした。
JUKEBOX のオーナーKさま本当にありがとうございました!
・ご依頼の流れは以下のページで説明しております。
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