こんにちは ジーンズリペア&リメイク hands-onです。
※画像クリック(タップ)で詳細表示に変わります。
今回紹介するのはこちらです。
リーバイス S506XX 通称大戦モデル 1stタイプのGジャン ビンテージです。
詳しい説明は裏ブログで行っています→こちらをクリック
1942年頃に製造された物だと思います、、、汗
全体的にかなり傷んでいます。
縫製糸はオール綿糸です。
綿糸は経年劣化して、弱くなります。
元はイエローステッチだったと思いますが
変色して白っぽくなっています。
(製造から70年以上経過しています。そうなるでしょう、、、汗)
こちらを日常着として着るには
全ステッチ補強が必要です。
生地同色の細くて強くて目立たない糸で補強を行います。
(当店では、勝手に影武者ステッチなんて呼んでいます)
フロントのプリーツを止めている 四角いボックスステッチがほとんど残っていません。
ここは新たに綿糸で縫い直します。
左右ソデの全体が弱っています。
全面補強リペアを行います。
前ポケット入口にダメージがあります。
三つ折り部分なので、そのままリペアでは綺麗に直せません。
よって、こちらは解体リペアを行います。
(そのような要望でした)
後ろ身頃も撮影しました。
ビンテージのオーラが出ていますね、、、
こちら側も生地が全体的に弱っています。
こうなると、ソデをぐるっと一周全面補強になります。
かなりの手間ですが、頑張ります!
フロント前ポケットのダメージ部分
リペアの途中画像です。
部分解体してこのようにリペアをします。
リベットの表再利用をする為に、なるべく綺麗に外しました。
この状態で外す事が出来れば、表側の再利用は間違いないと思います。
(打ち直すまで安心できませんが、、、汗)
大戦モデルのお宝1点物です、、、リベット1個にも非常に価値があります。
取り扱いも緊張します。
↓
↓
↓
それではリペア後がこちらになります。
フロントのボックスステッチを入れ直しています。
色落ちしたデニムに馴染むように 退色したイエロー綿糸を使っています。
元のステッチ跡を見ながら
ステッチの重なりも自分なりに再現してみました。
感覚的にやっていますので、ご理解の程よろしくお願いします。
フロントポケット入口です。
解体リペアをしたので綺麗な仕上がりだと思います。
縫い直しの糸は生成りの綿糸です。
この退色感は薄い黄色でもないし、真っ白でもないし、、、何とも言えない微妙な色です。
リベット表側の再利用に成功しました。
先端の突起部分が丸みを帯びているのがわかりますか?
今まで、リーバイス社の打ち抜き仕様のビンテージリベットは
別工程でプレスしていまして、先端の突起が平面になっていました。
しかし、今回からこのような形状にする事に成功しました。
リベットの先端の突起が平面なのはやはり不自然かなと思って、
リベットを留める道具を自分なりに研究、開発してみました。
私物の501XX革パッチビンテージのコインポケット部分です。
リベット表の再利用の経年変化テストをしています。
(これが以前のリベット先端の突起が平面バージョン)
リベット裏を交換して半年位が経過すると、リベット先端は光沢が無くなって
このように周囲に馴染みます。
(銅無垢素材を使っています)
左右ソデはそのままで全面補強リペアを行いました。
(そのような要望でした)
最後に裏から補強部分をお見せします。
解体無しの そのままリペアなので、リベットは表裏ともオリジナルのままです。
リベットギリギリまで生地が弱っているので、ミシンを限界まで入れています。
後ろ身頃です。
左右ソデはこちら側も全面補強リペアを行っています。
こちらも同じく、リベットは表裏オリジナルのままです。
肩部分のステッチは特に損傷が激しくなっていました。
それでも影武者ステッチで補強を行っています。
なるべく、ビンテージ古着の風合いを残すようにします。
それでは裏側から見ていきましょう。
左右ソデは完全にぐるりと1周 全面補強リペアを行っています。
ここまでしないと、このGジャンを日常着として着れないと思います。
ヒジを中心に負担が掛かる部分です。
今回は解体無しのそのままでの作業でした、、、そうゆうオーダーだったので
狭いGジャンのソデを全面補強リペアです。
非常に手間でかなりの時間が掛かりました、、、大汗
よって、それなりの手間賃が発生します。
しかも上から下まで当て布の縫いつなぎ無しでやっています。
同業他社さまでは同じような事は出来るのかな?
なんて思っています。
ソデ先のカフス部分も弱っていますが、今回はリペア無しです。
綺麗に直すには解体リペアが必要になります。
(その場合は、ボタン表の再利用に挑戦となります)
将来的にはリペアするかもしれません。
(そのような依頼があれば)
フロントポケット裏です。
リベットの打ち直しで周辺の弱い部分を補強しています。
(リベットやカンヌキはピンポイントで硬くなるので、周辺がどうしても弱くなります)
アップです。
リベットの裏側は既製品に交換となります。
Gジャンは基本的に裏側がチェーンステッチになっています。
チェーンステッチは裏側が盛り上がるので、裏からステッチが切れます。
(表は切れていない状態でも)
よって影武者ステッチによってこのような補強が有効だと思います。
以上です。
長いブログで書くのが疲れました、、、汗笑
(大戦モデルだったので、頑張りました!)
こちらの工賃が
左右ソデ破れ、そのままリペア+全面補強リペア 15000円
ボックスステッチ 新たに縫い直し 500円×6か所 3000円
全ステッチ補強リペア(影武者ステッチ)6000円
フロントポケット入口の解体リペア 3000円(リベット穴のリペア代込み)
リベット表 再利用成功 500円×2か所 1000円
合計 28000円(別途送料)
これで約70年前の生地がクタクタなビンテージ古着も
日常着としてガンガン着ることが可能になりました!
オーダーお待ちしております。
・ご依頼の流れは以下のページで説明しております。
↓
https://hands-on-jeans.com/nagare.html
・ビンテージ(アンティーク)ミシンで作った製品も販売しております。
↓
https://handsonjeans.thebase.in/
(BASE検索 hands-on-jeans)