こんにちは ジーンズリペア&リメイク hands-onです。
※画像クリック(タップ)で詳細表示に変わります。
前回ブログで「ちょっと納期に余裕が」 とか書いてしまったから?
いきなりの依頼ラッシュで、いつものテンパりモードでした、、、汗
さて、今回紹介するのはこちらです。
リーバイス 501XX ビンテージ 1946モデルです。
まさにお宝ビンテージジーンズ!
こちらのウンチクは裏ブログに書いたので
詳しく知りたい方は→こちらをクリック
左右前ポケット全体にダメージがあります(コインポケットや向こう布も)
こちらは綺麗に直したいとの事なので、解体リペアをします。
スレキ(ポケット袋布)は生成りのコットンスレキです。
(わかりにくいですが、そのままでリペアをされた跡があります)
これを大戦モデル風に、違う生地に変えて欲しいとのオーダーです。
凄いリペアが施されています、、、
入荷時からこのようになっていました。
(当店のリペアではございません)
スレキを外すには、この部分のリペア跡を全部外さないといけませんね、、、
アウトシーム部分が完全に縫いこまれていて、潰れています。
(硬い部分をそのままで縫込みなので、もうガチガチ、、、)
ちょっとこれを見た時点で、疲れてしまいました(汗笑)
頑張って、このリペア跡を外したいと思います。
トップボタンが通常のリーバイス刻印ボタンです。
こちらを月桂樹ボタンに変更して
大戦モデル風に変えて欲しいとのオーダーです。
それでは早速、ボタンを外してみました!
普段見れない、ボタンの内部もお見せします。
(マニアさん必見?)
1950年代に入ると、打ち抜きタイプなのですが
40年代はこのような軸に巻き込む形状のようですね。
これだと、表側の再利用は100%可能だと思います。
(今回は再利用はしませんが、、、)
当店の在庫する、鉄製のドーナツ型 月桂樹ボタンです。
二本爪の部分も鉄製ですよ。
(ボタンメーカーの倉庫に眠っていた、デッドストック)
今はこのようにピカピカですが、
これを付けてから、洗濯を繰り返すとある変化が起きます。
サスペンダーボタンにして、私物ジーンズで経年変化のテストを行っています。
(多分、取り付けてから 5回は洗濯したとおもいます)
もうサビサビです、、、まるで本物のビンテージのよう!
(水に濡れると、未加工の鉄はサビます、、、常識かな?)
でも、何とも言えないカッコ良さがあります。
ボタンのサビがカッコ良いという時点でマニア向けなんですがね、、、苦笑
とてつもない時間をかけて
このようにフロントのポケット部分を解体しました。
両サイドのアウトシーム部分を解くのは本当に面倒でした、、、大汗
無理に引っ張ると、元のデニム繊維が破壊されるからです。
デニムの繊維を崩さないように、かなり慎重にリペア外しを行いました。
リペア外しだけでも1日じゃ終わりません、、、数日掛かっています、、、涙
外したリベットです。
刻印が中央よりのタイプは裏側が無地です。
下側の凸部分の再利用が出来ないかな?と思って
挑戦してみましたが、、、
6個中、2個しか綺麗に外せませんでした。
難しいですね。
綺麗に外した下側の凸リベットです。
わかりやすいように横から撮影しました。
上からプレスで潰されて、このような形状になります。
このまま再利用をしても、潰れたリベットは役目を果たしません。
(見た目は付いているように見えますが、締まりが足りない状態)
リベットを元の伸びた状態に伸ばす
特殊な金属加工技術 が必要だと思います。
これはかなり難しい技術かと思います。
今後の宿題にしたいと思います。
しかし、1950年代の鉄製の銅メッキリベットだと更に加工が難しそうです。
専用の機材とか揃えると、大変な額になりそうで怖いです。
(そこまでのニーズがあるのかもわからないし、、、)
万が一、それが実現しても加工代が幾ら? になるのでしょう、、、
(リベット1か所で数千円レベルかも?)
磁石を近づけても反応しません。
よってこれは銅製です。
1950年代中盤から鉄製の銅メッキリベットに変更になるようです。
(旧ブログでもこの事は何回か書きました)
数年前にリメイク用に使った生地が残っていました(喜)
硫化染めのヘリンボーンツイルの生地です。
これと同じものが購入した生地屋に存在するかわかりません。
(この生地は今回のリメイクで使い切りました)
アーミーグリーン色の硫化染めの生地って、古着にマッチするんですよね。
この風合いがたまりませんね。
※硫化染めの説明は今回は省略します。
(染色工場の知り合いも多いので、染めも結構詳しくなりました)
詳しく知りたい方はとりあえず 硫化染め で検索してみてください。
これを今回のスレキ交換用の生地に使いたいと思います。
これを依頼者さまに見せたら、かなり喜ばれていました。
(是非、これを使ってほしい!との事)
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そんなこんなでリペア&リメイクをしたのがこちらです。
解体リペアなので、綺麗な仕上がりだと思います。
作業場の蛍光灯がかなり明るいので
光の反射でリペア糸が目立っていますが
実際はもう少し馴染んでいるかと思います。
(見た目と同じようにする撮影が難しいですね、、、)
両サイドシームも解体リペアなので綺麗な仕上がりです。
シーム部分の立体感も取り戻しました!
46モデル特有の長いサイドステッチの再現もしています。
リベット表側の再利用は全部成功しました。
下から突き抜けている、突起部分は新品のリベットです。
今はこのようにピカピカですが、銅無垢なので時間の経過で馴染みます。
今から半年位前にテスト用にリベット表の再利用をした
私物のジーンズの(501XX革パッチ ビンテージ)コインポケット部分。
ローテーションで穿き込み中の物です。
付けたばかりの頃はピカピカでしたが
もうこんなに色が変化して、周囲に馴染んでいます(喜)
左右前ポケット入口の裏側です。
新品に交換したので綺麗な状態になっています。
交換したトップボタンです。
経年変化で下のドーナツボタンと馴染むことでしょう。
(サビさせるには、洗濯で水に浸けないといけませんよ)
裏側です。
ボタンを外すと、穴が空くので叩きリペアで穴ふさぎをしています。
これでガッチリとボタンが付いています。
裏からもどうぞ!
グレーの当て布が当店でリペアした部分になります。
リペアの境目を作ると、そこから破れるので
補強も広めにしています。
既製品のリベットに交換したので、裏側はこのように無刻印になります。
以上です!
なんだかんだで、今回は長いブログになってしまって疲れた、、、
こちらの工賃ですが
リペアステッチ外し 10000円(これでも採算度返しです、、、涙)
左右前ポケット全体の解体リペア 12000円
(ポケット下の周辺補強、コインポケット、向こう布リペア含む
)
左右前ポケットのスレキ(袋布)交換 7000円(当店の在庫生地を使う場合は生地代無料)
新たに仕入れる場合は生地代が+α
リベット表の再利用成功 500円×6か所
トップボタンを鉄製月桂樹 ドーナツボタンに変更 1000円(穴ふさぎリペア500円、ボタン交換500円)
合計33000円(別途送料)
こう見ると非常に高い工賃なのですが、、、焦
この仕事は作業時間=工賃です。
(ここを値切ると、私も生活が成り立ちませんので、、、)
ご理解の程、よろしくお願いします。
オーダーおまちしております。