ビンテージジーンズの隠しリベットについて、掘り下げてみた(個人的意見です)

こんにちは ジーンズリペア&リメイク hands-onです。

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只今、オリジナルジーンズ S76を制作しております。

隠しリベットを打ち終わりました。

隠しリベットとは、バックポケットを留める補強と言われています。

打っている動画をご覧ください。

このように、後ポケットの裏側にリベットを打ち込んでおります。

こうなりました。

バックポケットの両端にリベットを打てるように、生地端を出しておく必要があります。

この形が うさぎの耳 に見えることから

通称 うさみみポケット と呼ばれているそうです、、、笑

このように、ポケットが逆さまの状態じゃないと

隠しリベットは打てません。

こうゆう特殊な仕様で縫い付ける事になるので

後ろポケットの位置や角度が 自然に不均一 になるというのはご理解ください。

カスタマイズ等で指定された位置に正確に付けるには

ポケットは表にして位置や角度を調整しないといけません。

そうなると、隠しリベットを打つ事は出来ませんので、、、汗

※言葉で説明するのが難しいので、画像を見ると理由がわかると思います。

隠しリベット部分のアップです。

当時のビンテージジーンズを解体して、再現しております。

※こちらは大戦モデルをイメージしております。

裏から見ていきましょう!

リベットの下に仮縫いのイエローステッチがあります。

※これは大戦モデルなので、イエローステッチの返し縫いです。

通常のXXは あとで説明したいと思います。

ポケットを表側にひっくり返しました!

この状態にしてから、外周ステッチ縫いで押さえていきます。

後ろポケットの仮縫い部分のキワです。

これを見て、疑問に思いませんか?

隠しリベットではなくて、仮縫いのステッチに負荷が掛かっていませんか?

折り返しの支点が隠しリベットではなくて、仮縫いステッチですよね、、、汗

この角度から、ご覧ください。

いかがでしょうか?

やっぱり、隠しリベット部分に負荷が掛かっていません、、、汗

ちなみに、隠しリベットに挟まっている生地はたったの1枚です。

工場さんによって、色々な解釈があって 色々な縫い方がありますが、、、

当時のビンテージジーンズはこうなっています。

(実物を解体して研究しています)

要するに、隠しリベットという金属で留めている生地は 合計2枚 という事です。

前ポケットの補強だと、もっと厚みがあります。

厚みのある部分にリベットを打たないと

負荷が掛かると下地が破れてしまいますので、、、汗

この事実をどう思われますか?

隠しリベットに意味はあるのか?

とても疑問を感じてしまいます、、、

ここからは歴史の勉強をしたいと思います。

リーバイス社が隠しリベットを採用した経緯です。

1922年まで遡ってみましょう!

こちらはリーバイス501XX 1922年モデル ビンテージジーンズです。

詳しくは裏ブログをご覧ください。

こちらをクリック

当時のバックポケットは剥き出しリベットでした。

次に紹介するのは

リーバイス501XX 1937年モデル ビンテージジーンズです。

詳しくは裏ブログをご覧ください。

こちらをクリック

1937年モデルは剥き出しリベットではありません。

例の隠しリベット仕様になっています。

そうなのです、、、

1922年~36年の間に何かしらの出来事があって

リベットが内側に隠される という仕様変更になったという事です。

ちなみに、501XXの隠しリベット仕様というのは

1964年頃まで続きました。

最終モデルと呼ばれている 1965年の501XXになると

隠しリベットは排除されます。

ちょっとここで他社のジーンズを紹介したいと思います。

Lee のジーンズです(こちらはレギュラータイプ)

Leeはバックポケットの補強に隠しリベットを採用していません。

バッテンカンヌキ留めです。

※ベルトループのカンヌキ留めミシンと同じ物。

それを二回縫いで×印にしている状態

これはLeeの特徴的な部分だと思います。

トップボタンには Lee RIDERS と刻印されています。

現代のライダースと言えば、、、バイク乗り!

バイク乗りの為のジーンズ というアピールですね。

これを踏まえて、、、

Leeのバッテンカンヌキ 誕生の歴史も調べてみたいと思います。

Leeのビンテージジーンズ資料がないので、、、汗

今回は参考文献 ワールドフォトプレス社

ザ・ジーンズ を使わせて頂きます。

とても内容が深いです、これは持っておきたい一冊ですよ!

P125

Leeカウボーイパンツです。

Leeが後ろポケットに バッテンカンヌキ留め を初採用したのがこちらです。

それ以前は Leeの後ろポケットも剥き出しのリベット でした。

ここが重要ポイント!

1924年とあります。

ジーンズの需要が炭鉱労働者(ゴールドラッシュ)から

カウボーイまで広がって来ています。

そこにいち早く目を付けたのが、、、Leeのカウボーイパンツ!

剥き出しのリベットだと 馬の鞍を傷つけてしまう、、、涙

それをバッテンカンヌキ留めによって、回避しました!

そして、強度も保った!

これがカウボーイの間で大人気になっていきました。

それまでジーンズ製造メーカーとして1強だったはずの

リーバイスにLeeというライバル企業が登場します。

Leeに奪われたシェアを取り返さないといけない、、、汗

リーバイス社は試行錯誤をします。

ここでLeeのバッテンカンヌキをコピーする事も可能だったはずです。

当時はベルトループにカンヌキ留めミシンを使っていました。

技術的に問題無かったはず、、、

しかし!

リーバイス社はその方法にしなかった。

リベット留めによって、衣類の強度を上げる という大発明をした会社のプライド?

リベット留めはリーバイスの象徴だったのでしょう。

そんな状況の中で、誕生したのが

リベット留めを内側に隠す 隠しリベット だったのだと思います。

(個人的意見です)

それが1937年頃に登場した先ほどの501XXになります。

またまた、個人的意見ですが、、、

リベット留めの強度ではなくて

リベット留めをそこに残す事で

リーバイスの象徴をアピール!

そんな 企業魂 を込めたのでは?と思います。

そう考えると、、、

隠しリベットに込められた ライバル会社に負けるか!

という想いを感じずにはいられません。

リーバイス社の 隠しリベット に対するこだわりは凄かったです。

こちらは501XX 1947年モデル(デッドストック)から外した

フラッシャー(ピンク色) ギャランティーチケット(白色)です。

隠しリベットが採用されると同時に

フラッシャーも作られました。

これを販売用のジーンズに付けて、猛アピールしています。

センターのLEVI’Sの文字に被せるように、、、

THE RIVET’S STILL THERE

リベットは まだそこにある!

このように、猛アピールしています。

その上にこのような文字が、、、

CONCEALED POCKET RIVETS(ポケットの隠しリベット)

U.S.Patent No.1999927(米国特許 番号1999927)

隠しリベットの使用において、米国の特許もとっております!

これで当時 隠しリベットはリーバイス独占 だったはずです。

恐るべし、、、

さて、、、

実物をチェックしていきましょう!

私物の501XX 紙パッチ ギャラ入り ビンテージ

1955年頃のモデルになります。

隠しリベットが原因で、、、

この部分の生地にダメージが発生します。

まあ、これはある意味XXらしさです。

マニアが喜ぶ所ですね、、、笑

ブログの冒頭で説明した

裏側の仮縫い部分です。

やはり ここに負荷が掛かっています。

この裏縫いステッチによって、ポケット端が留まっている証拠です。

隠しリベット部分は裏側からチェック出来ます。

隠しリベットの上に グレー糸で仮縫いのカンヌキがあります。

裏から目立たないグレー糸にしているのも意図的でしょう、、、

大戦モデルはイエローステッチの返し縫いだったのですが、、、

戦後のXXはカンヌキという強固な縫い方なんですね。

仮縫いなのに、本気で強度を求めていると感じます、、、

でも、パッと見は、、、

隠しリベット部分に注目してしまいます。

縫製の事を知らないと、グレーのカンヌキ糸には気がつかないでしょう、、、

いかがでしたか?

とても長い説明でしたが、、、汗

全てを書かないと、マニアの方も納得しないと思って 頑張りました!

隠しリベット自体には補強の機能は無いと思いますが、、、

違う楽しみがありますよね!

私が穿き込み中の オリジナルジーンズ S76 です。

隠しリベットの盛り上がりが、、、

いい感じのアタリ感になっています!

色落ちを楽しむ方にとって、楽しみな部分、、、笑

リーバイス社において、1965年頃に廃止された 隠しリベット

私は大好きです!

この小さなパーツに色んな想いが詰まっているからです。

長いブログにお付き合い頂き、ありがとうございました。

では!

※今回のブログはあくまで仮説、個人的意見です。

宜しくお願い致します。

・ご依頼の流れは以下のページで説明しております。

https://hands-on-jeans.com/nagare.html

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