リーバイス S501XX 大戦モデル 中期型 トップボタンのみ月桂樹ボタン 

こんにちは ジーンズリペア&リメイク hands-onです。

※画像クリック(タップ)で詳細表示に変わります。

只今、GW休暇を頂いております。

このチャンスにスペシャルアイテムを紹介したいと思います。

ちょっと興奮して、画像を撮り過ぎてしまいました、、、苦笑

休日なのでマイペースにのんびりと書きたいと思います。

宜しくお願い致します。

では、今回紹介するのはこちらです。

いい感じに穿き込まれた古着ジーンズです。

レングスも長くて、サイズ感も良さそうです!

ボタンフライなので501でしょう。

いや、、、これは、、、

コインポケットのリベット無し、、、

リベットが無地、、、

トップボタンが月桂樹、、、

S501XXです。

通称 大戦モデル!

(第二次世界大戦中に作られた特別仕様のジーンズ)

久しぶりに大戦モデルが入荷しました。

ビンテージの古着屋さんでも滅多に見れない一品です。

それを手に取ることが出来るなんて、、、

この仕事をやっていて良かった!

(こちらはリペア依頼品です)

大戦モデルは様々な仕様があります。

今回のはどんな仕様になっているのでしょうか?

ワクワクしますね。

フロント部分から見ていきましょう!

フライボタンはリーバイスの刻印入りになっています。

色んなパターンがありまして、

トップボタンがリーバイス刻印ボタン

フライボタンが無地のドーナツという逆パターンもあります。

良い意味で、適当だったと思います。

隠しカン止め無しで

隠しリベットが打ってあります。

これは銅色なんですね、、、

銀色のいかにも鉄っぽいのも見た事があります。

ポケットスレキ(袋布)は通常タイプ?

ここも様々な生地を使っている物があります。

アップで見ると、、、

これは平織り組織です。

通常は綾織り組織になっています。

触った感触ですが、やや薄手の生地でした。

白のワイシャツのような感じです。

これも何かの使い回しだったのでしょう、、、

リベット裏です。

リーバイスの刻印があります。

サビが染み出ていませんね、、、

もしかして銅製?

磁石テストをしてみると、、、

ピタッと付きました!

やはり鉄製の銅メッキリベットです。

保存状態によっては、サビが出ない事もあるようです。

(湿気が少ない状態だったのでしょうか?)

ついでに隠しリベットも磁石でチェックします。

こちらもピタッと付きました!

鉄製の銅メッキリベットです。

二回目の紹介ですが、、、

トップボタンは月桂樹ボタンです。

サビているのがいい感じです。

私が注目したのは、、、

Vステッチです。

この浅い入りと広い角度!

戦前の501XXに見られるディテールだと思います。

これが大戦でも引き継がれています。

ちょっと嬉しかったです!

ボタン裏はこんな感じになっています。

ちょっといびつな感じで、光沢もありませんね。

フライボタン裏はこのように光沢があって、丸みを帯びています。

こちらはこの時代の定番タイプと思います。

トップボタン裏のみ、違うみたいです。

ここはもう有名ポイントかもしれません。

持ち出し布 の裏側は切りっ放しになっています。

前ポケットの内側です。

向こう布の中心部分ですが、見えますか?

ここはマニアックポイントですが、、、

切りっ放しになっています。

持ち出し布の先端が切りっ放し

小股の縫製も切りっ放しです。

ここも有名ポイントだと思います。

裏側の縫製です。

オールイエローです。

綿糸なので、退色イエローに変わっています。

もう白に近い位に色抜けしています。

大戦期の糸染めは堅牢度が悪かったようです。

太もも部分です。

荒々しい縦落ちをしています。

ここは説明不要かもしれません。

サイドステッチがかなり長いです。

これは戦後の47モデルまで続きます。

縫いが曲がって、途中で落ちていますね、、、汗

これも大戦モデルの味でしょう。

今回はアウトシームのアタリに注目しました!

わかります?

縫い合わせ部分の独特なブツブツした感じ、、、

その理由がこちら!

アウトシームが極太の糸で縫われているからです。

そして、ピッチもやや広めです。

糸のボリューム感が表のアタリに出ていませんか?

私はそう感じました。

逆の足も見ていきましょう!

色落ちはもちろん、荒々しいビンテージの感じです。

インシームのコバ(押さえ)ステッチに注目します。

端から5ミリ位ありませんか?

そのおかげで、端の部分に綺麗なアタリが付いています。

これもいい感じです。

インシームの裏側を見ていきましょう。

わかります?

ジーンズを縫う人ならこの意味がわかると思います。

コバ縫いステッチがロックの部分まで掛かっています。

もうギリギリを縫っていますね、、、汗

フロントの小股部分です。

ここの折り返しは、ボテっと広くなっているのを見かけますが、、、

上から下まで、均一になっています。

こうゆう縫いもあるのか!

と勉強になりました。

後ろ身頃をチェックしていきましょう!

本当にバランスの取れた、良いサイズ感のビンテージジーンズです。

大戦モデルにしては、ちょっと細身の感じもします。

お約束のアーキュエイトステッチが入っていません。

代用のペンキだったと思いますが、跡は残っていないみたいです。

いびつに縫われる事の多い、後ポケットですが、、、

この部分が微妙に曲がっていますね。

しかし、それが色落ちに出ていていい感じです。

パッカリングに迫力があります。

右後ろポケットはどうでしょう?

左右で全然雰囲気が違います。

凄いバラつきです。

外周ステッチのコバがやけに広いですね、、、汗

赤タブが付いています。

片面タブです。

そして、、、

色が抜けて退色しています。

やはり大戦期の染めは堅牢度が悪く、このような現象になるみたいです。

センターループです。

極太の物を採用しています。

戦後の47モデルまで続きます。

中心の盛り上がりにアタリが出ているのが、いい感じです。

最後にスソをチェックしていきましょう!

糸の劣化、退色感を見て

これはオリジナルステッチだと判断しました。

大戦モデルを見ていて、ある事に気が付きました。

スソが独特の斜めのウネリになっていません。

そうなるには、、、

ユニオンスペシャル43200Gというミシンで縫う必要があります。

当店のユニオンスペシャル43200Gです。

独特の形状と針が斜めに落ちるのがその理由です。

縫い合わせのシームが引っ張られて、縫いずれ が起こります。

これは過去の裏ブログでも着目しました。

こちらをクリック

もしかして、、、

これも大戦モデルの特徴?

見てきた個体数が少ないので、まだ何とも言えないのですが、、、

こちらのステッチ幅は約10ミリ

戦後の501XXに多いのは約8ミリ

ちょっとだけ広いと思います。

逆の足もチェーンステッチに斜めのウネリが出ていません。

そして、ステッチ幅もやや広めの10ミリ位だと思います。

これが大戦モデルのオリジナルステッチ仕様だったのでしょうか?

今後も調査をしていきたいと思います。

今回も色々と発見が多かったです。

依頼主さま、本当に感謝します。

ありがとうございました!

・ご依頼の流れは以下のページで説明しております。

https://hands-on-jeans.com/nagare.html

・ビンテージ(アンティーク)ミシンで作った製品も販売しております。

https://handsonjeans.thebase.in/

(BASE検索 hands-on-jeans)

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